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主に本と映画のライフログ

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私的ブランド論―ルイ・ヴィトンと出会って

秦郷次郎さんがルイ・ヴィトン・ジャパンを設立し今日の繁栄を見るまでの軌跡。老舗が新しいことを手がけるのはよくも悪くもたいへんなのだろう。ルイ・ヴィトンのフィロソフィを整理してまとめたもので、社員教育によさそうな本だ。よいところばかり並べて…

官能小説家

伊藤整賞受賞作。半可通にはどうしたって「森鴎外=高橋源一郎」「樋口一葉=室井佑月」「半井桃水=津原泰水」と読めてしまう。そのことが邪魔して興が削がれてしまったが、そもそも“私小説”と読むのが正しかったりするのか。錆び付いた記憶を刺激して、文…

ブルーノート・レコード―史上最強のジャズ・レーベルの物語

次代に語り継ぐべき音楽ムーブメントを起こした偉大なレーベルの後先。初心者ですら知っているブルーノートは、JAZZファンが作ったJAZZファンのためのブランドである。長く歴史を名盤と共に振り返れ。おすすめレコードを記した本ではない。その手を求めるな…

フランス暴動----移民法とラップ・フランセ

文章は平易、目配りも悪くない。でもしんどい。ラップを文字で読むつらさ。訳がうまいかはわかんないけど、日本語としてこなれていない。あと、日本人ラッパーは関係ないんじゃないか。 NY Rap 英語が勝手に出てくる!作者: 松田麻里出版社/メーカー: ジャパ…

ゴー!ゴー!フィンランド

旅行気分のときに読んだので冷静に判断できないものの、玄人のノウハウが満載で興味深かった。やたらと日本と比較する点はいささか野暮です。北欧、ますます行きたくなりますよ。北欧のかわいいデザインたち―日用品をたくさん集めてみました作者: pieni kaup…

荒ぶる血

『無頼の掟』のジェイムズ・カルロス・ブレイクの新作。期待に背かず、そりゃもう荒ぶっちゃう(原題は『皮膚の下』だけどね)。ギャングの始末屋ジミー・ヤングブラッドの半生を描くスタイリッシュ・ハードボイルド。ふたつの時代、運命の悪戯、追跡者、無法…

容赦なき銃火

『キッチン・コンフィデンシャル』のアンソニー・ボーデインが著した冒険サスペンス。殺し屋ヘンリーとその妻フランシスの活躍を描く。当然のように抜群のリーダビリティ。おかしなエージェント夫婦のライフスタイルを楽しめ。 シェフの災難 (ハヤカワ文庫NV…

幕末単身赴任 下級武士の食日記

通勤電車のまったり読書に最適。紀州和歌山藩勤番侍、酒井伴四郎さん(28歳)江戸へ単身赴任中。伴四郎さんの食生活がわかる。外食を満喫しつつ、自炊も万全の構え。普段はしっかり倹約して、趣味や道楽のときは蓄えをきれいに使う。生活の楽しみ方を知ってい…

ブレイン・ドラッグ

英国推理作家協会新人賞ノミネート作品。デビュー作とは思えない抜群のリーダビリティ、一気読みは必至。脳を活性化する薬MDT-48で人生薔薇色、順風満帆?んな甘いわけない。無敵の知能と活力の天恵を受け、失っていくシチュエーションに『アルジャーノンに…

タイユバンの優雅な食卓

トッドハンターさん、スノッブで上から物を見ている感じがいけ好かん。物言いがたいへん卑しい。ペストリーシェフとの対話で盛り返したが、著者への悪い印象が拭えず。

廃墟ホテル

“クリーパーズ”と呼ばれる都市探検者たちの戦慄の一夜を描く。華やかなりし過去も今は昔。取り壊しが決まったかつての豪華ホテルに潜入する5人にの眼前に過去の惨劇が蘇る。ほどよく狂ってますがホラーではなく。サバイバル・サスペンス?廃墟大全 (中公文庫…

不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」

1 ラヴ・コメディ今昔(嫌われるヒロイン?―ジェイン・オースティン『エマ』 エリザベス・ベネットが九〇年代のロンドンにいたなら?―ヘレン・フィールディング『ブリジット・ジョーンズの日記』) 2 働く女たち(逆境の淑女、ガヴァネス―シャーロット・ブロンテ…

キッチン・コンフィデンシャル

抜群のリーダビリティ、底抜けの面白さ。絶賛しちゃう。一流シェフが「おれもかなり悪さしてきたけどね……」と昔を振り返ったほぼ実録物。もともとシェフなわけで、潜入したり改めて体験したのではないがゴンゾスピリット溢れる傑作だ。読み進むのが惜しくな…

地を穿つ魔 〈タイタス・クロウ・サーガ〉

待ってました!オカルト探偵タイタス・クロウの長篇。実際読んでみると、長くなった分、ややもたれちゃう。もっとも「クトゥルフ神話大系」に関心があった高校生の頃に発刊されていたらはまってたかも。

きみの血を

タイトルで告白。真相は藪の中。オープンエンディング、どう読むか。

デス博士の島その他の物語

『デス博士の島その他の物語』『アイランド博士の死』『死の島の博士』『アメリカの七夜』『眼閃の奇蹟』傑作中短篇。痺れた。ひさしぶりにわくわくする“小説”たちだった。知的好奇心をくすぐり倒すセンス・オブ・ワンダー。

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

自分はMacユーザではない。思い入れはまったくない。ジョブズに対しては創設者にして没落しかけのAppleを立て直した救世主という印象を持っていた(事実それは間違ってはいない)。 本書はスティーブ・ジョブズというカリスマの栄光と挫折、そして復活を描く。…

最強ヘッジファンドLTCMの興亡

・良質なノンフィクション ・ニュージャーナリズムの手法 ・群像劇 ・訳者は東江一紀(ミステリファンはおなじみの)

ベスト・アメリカン・ミステリ ジュークボックス・キング

ダグ・アリン「ジュークボックス・キング」 クリストファー・チャンバース「百科辞典」 クリストファー・クック「掏摸日記」 ジョン・ペイトン・クック「君去りしのち」 ジェイムズ・クラムリー「人質」 オニール・デ・ノー「嘘をつけば、死」 ピート・デク…

ベスト・アメリカン・ミステリ ハーレム・ノクターン

ジョン・ビゲネット「ベフカルに雨は降りつづける」 マイクル・コナリー「二塁打」 トマス.H.クック「八百長試合」 ショーン・ドリットル「数学者の災難」 マイクル・ダウンズ「男は妻と二匹の犬を殺した」 ブレンダン・デュボイス「ファミリー・ゲーム」 デ…

ウォーホル日記〈下〉

いくつか印象に残ったエピソードを箇条書きに。 1984/04/10 無邪気なショーン・レノンとの心の交遊。 1984/10/03 もてはやされるジャン・ミシェルの姿に自らの栄光を回顧する。 1983/10/08 芸術論。自分の中から自然に沸きあがってくるもの? ひとつの製品? 1…

優雅な生活が最高の復讐である

あのフィッツジェラルドが憧れ、『夜はやさし』のモデルにしたという画家ジェラルドとセーラのマーフィ夫妻。ヘミングウェイ、ピカソ、レジェ、コール・ポーターにまで及ぶ夫妻の華やかな交友関係を、さまざまなエピソードで綴る。1920〜30年代の文化人たち…

ソニアのショッピングマニュアル

超人気スタイリスト、ソニア・パークが厳選した究極のスタイリッシュアイテム101品。ヴィンテージのリーバイス501、エルメスのプリュム、カルティエのミニパンテールetc……服、靴、バッグにジュエリー、家具や文房具までと幅広いアイテムが登場。最新版にして…

モーターサイクル・ダイアリーズ

この旅が、青年ゲバラの未来を変えた──23歳のゲバラは、親友と共に中古のバイクに乗って南米大陸縦断の旅に出た。それは金も、泊まるあてもなく、好奇心のままに1000キロを走破する無鉄砲な計画だった。 映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』で食い足りな…

平凡パンチ1964

日本の「60年代」最初のピークの年、1964年。 銀座歌舞伎座裏の社屋から、『平凡パンチ』は生まれた。 その直前に創刊スタッフとして入社した著者は、 沸騰する60年代文化と変貌する東京の渦中に巻き込まれ、 かつ自ら飛び込み、時代のさまざまな相貌に出合…

わたしを見かけませんでしたか?

中年男性諸氏にとってあまりにも身につまされる話のために、何人ものにわか作家による盗作が相次ぎ、訴訟騒ぎにまで発展した幻の名作「あなたの年齢当てます」。犬の立場から人間の上手な飼い方を綴った「愛人マニュアル」ほか、手に取ったあなたに思わずチ…

観光旅行

平凡な毎日に飽きあきしているあなた、こんな観光ツアーに参加してみませんか?目的地は、不気味なイグアナや怪しい原住民が跋扈する、深い密林に包まれた南米バナナ共和国。ゲリラ活動とCIAの陰謀が渦巻く現地では、猛獣相手の闘いや民間スパイの暗躍、謎の…

骨音―池袋ウエストゲートパーク〈3〉

若者を熱狂させる音楽に混入する不気味な音の正体は――。最凶のドラッグ、偽地域通貨、連続ホームレス襲撃。壊れゆくストリートを抜群の切れで駆け抜ける「池袋ウエストゲートパーク」シリーズ第3弾。 IWGP、もう4冊目(外伝含む)か。さすがにインパクトはなく…

捕虜収容所の死

第二次世界大戦下、イタリアの第一二七捕虜収容所でひそかに進展する脱走計画。ところが、不可解な状況のもと捕虜が落命、紆余曲折をへて、英国陸軍大尉による時ならぬ殺害犯捜しが始まる。連合軍の進攻が迫るなか、はたして脱走は成功するのか? 英国ミステ…

エルメス

「ブランドのなかのブランド」と呼ばれるエルメス。圧倒的に高価でありながら異常なまでの人気を得た背景には、高水準の職人技術はもちろん、徹底した同族経営、巧みな広報・商品戦略があった。馬具工房としての創業から百六十余年、「伝統」と「革新」を織…