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主に本と映画のライフログ

ブレイン・ドラッグ

英国推理作家協会新人賞ノミネート作品。デビュー作とは思えない抜群のリーダビリティ、一気読みは必至。脳を活性化する薬MDT-48で人生薔薇色、順風満帆?んな甘いわけない。無敵の知能と活力の天恵を受け、失っていくシチュエーションに『アルジャーノンに花束を』を連想した。本作の主人公エディ・スピノーラは元コカイン中毒でバツイチでしかも雇われライター。自堕落なダメ男なりに、しみったれた日常をぼちぼち生きていた。ひょんことから入手した「スマート・ドラッグ」のドーピングによって見ちゃいけない夢を見てしまった(ドラえもんに頭のよくなる薬をもらったのび太くんみたいな)。仕事はテキパキ、ダイエットには成功。どんどん調子に乗ってデイトレからM&Aマネーゲームフルコースに突入。頭脳明晰になっても品性は変わらない……(分相応が一番)。衝撃のラストまで逝っちゃってください。

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)