『カリブ諸島の手がかり』でおなじみ、名探偵ヘンリー・ポジオリ教授の帰還(ワトソン役を携えて)。 「警察署長の秘密」★★★★☆ 「靴下と時計の謎」★★★☆☆ 「ジャラッキ伯爵、釣りに行く」★★★☆☆ 「ジャラッキ伯爵への手紙」★★★☆☆ 「八十一番目の標石」★★★★☆ 「七…

2415年、人類の99％はウィルスにより死滅。独裁都市ブレーニャでは圧制に抵抗する反政府組織“モニカン”が台頭していた。 「GOOD BOYS」がいい。この手の“華麗なる女戦士もの”としては出色の部類。まずロマンスに意味がある(とってつけたような無意味なシーク…

副題そのままに「バウハウス」からから“フラクタル”までを取り上げ、美を読み解く鍵となる造形文法「構成学」の理解を深める1冊。 教科書的な勉強本と思って読むと、苦痛を覚えるかもしれない。気楽なのベッドタイム・ストーリーとして読むべし。著者が再三…

天才エンターテイナー、ボビー・ダーリンの生涯。怪優ケヴィン・スペイシーが監督、主演で映画化。 冒頭、少年期と中年期をクロスオーバーさせるアングルにしばし戸惑う。この手法を用いた意味がよくわからないからだ。ストレートな伝記映画じゃダメなのか。…

東京創元社の〈クライム・クラブ〉叢書から1955年に発行されて以来、伝説の名著と語り継がれていた本作が新訳で復刊。主人公の素人探偵キャソン・デューカーはワイン輸入商。犯罪者狩りを道楽としている。ふとしたきっかけで恐喝犯バゴットの存在を知り、義…

奉行所与力と花形女形の双子が江戸を揺るがす難事件を鮮やかに一刀両断。 時代物ときましたか。アジアの達人の新境地。まだとっ散らかっていて、設定や方向性が整理されていない印象はあるものの、腕が違う、読ませてくれる。もう少しこなれてくると、面白く…

ポル・ポト政権下のカンボジア、10歳で銃を手に戦場へ駆り出された少年。ノンフィクションを原作に厳しい現実を描く。 深谷陽はアジアを描くための線を持ち、事実を積み上げることで画をなしていく。今までもアジアを舞台に現代社会の抱える諸問題を静かに描…

「ブロンソンならこう言うね」by みうらじゅん＆田口トモロヲ。これぞシンプル・イズ・ベスト。1930年代のニューオリンズ。流れ者が腕を買われて賭けファイト、マネージャーたちとの心の交流を描く。 チャニー(チャールズ・ブロンソン)はどこへ行く。ほとん…

正しいバカSF映画。宇宙船団が飛来し、バイパス建設のため、地球を爆破する。主人公は友人のベテルギウス星系人に連れられヒッチハイクの旅に出る。 ハーマ・カヴーラ(ヴィルドヴォール第六惑星のカルト教伝道師)役でジョン・マルコヴィッチが怪演。宇宙船「…

博識の人ボルヘスの中期の短篇集。 不死の人 死んだ男 神学者 戦士と拉致された女の物語 タデオ・イシドロ・クルスの伝記（一八二九‐一八七四） エンマ・ツンツ アステリオーンの家 もうひとつの死 ドイツ鎮魂歌 アヴェロエスの探求 ザーヒル 神の書き残され…

『トゥルーデおばさん』に続く昔話再解釈短篇集。SFフィルタで濾過したものあり謎解きミステリ風味あり、肩の力を抜いてサクッと描いていながら力作揃いの狂想曲。■収録作品 ・七匹の子やぎ ・奇妙なおよばれ ・漁師とおかみさんの話 ・スノウホワイト ・小…

井筒監督×奥山プロデューサー。DVD未発売。いい意味でよくできた二時間ドラマ。原作が出版されたのが1988年のバブル絶頂期。躁病的なのはそのせいか。時代の香気が匂い立つB級映画の傑作。そのほかの出演は、久本雅美、小林恵、螢雪次朗、九十九一、秋野暢子…

TRPGの元祖をどうしたらこんなにさみしい仕上がりにできるのか。壮大な世界観が表現されておらず、階級闘争の背景が伝わらない。ひとつひとつのミッションがものすごく矮小。VFXを駆使した空中戦すら痛々しい。主人公の相棒のスネイルズ(マーロン・ウェイア…

『シャドー』といってもダリオ・アルジェントのスリラー映画ではありません。1930年代のニューヨークを舞台にしたラジオドラマのヒーロー(アメコミの源泉)を1994年に映画化したもの。アレック・ボールドウィンとジョン・ローンが競演。 まったくもって強くな…

スコットランド出身にしてカナダの鬼才エリック・マコーマックの短編集。「隠し部屋を査察して」「断片」「パタゴニアの悲しい物語」「窓辺のエックハート」「一本脚の男たち」「海を渡ったノックス」「エドワードとジョージナ」「ジョー船長」「刈り跡」「…

マケドニア王アレキサンダーの生涯。オリヴァー・ストーン監督。コリン・ファレル、アンジェリーナ・ジョリー、ヴァル・キルマー、アンソニー・ホプキンス出演。 ひたすら長い……。アンジーはナチュラルに魔女だし、ヴァルは野卑フェイスの面目躍如(超はまり…

アメリカ人心理学者にして名探偵、ヘンリー・ポジオリ教授の活躍を描く。「亡命者たち」★★★☆☆ 「カパイシアンの長官」★★★★☆ 「アントゥンの指紋」★★★☆☆ 「クリケット」★★★☆☆ 「ベナレスへの道」★★★★☆ 読み終えて。読み返したくなった。上手い。三人称単視点…

リー・リンチェイ主演、ツイ・ハーク監督のカンフー・アクション。実在の人物(黄飛鴻、孫文)、宗教(白蓮教)などを組み合わせて面白おかしく作り上げた。 笑うところなのか、熱くなるところなのか。リアクションに困る。アクションはすごい。ロマンス、コメデ…

Finland Cafe 本日のランチ、「フィンランド・カフェ」に行ってきました。2006/11/1(水)〜12/2(土)までの期間限定で営業。滑り込みセーフです。 北欧が間借りしてる感じ。椅子、壁掛け、什器などあちこち目移りしまくり。 鮭とジャガイモのポトフ(サワークリ…