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主に本と映画のライフログ

マルタイの女

女優磯野ビワコは偶然弁護士夫婦の殺人現場を目撃してしまい、裁判で証言することになる。事件の黒幕、宗教団体「真理の羊」がビワコを狙う。
女優を演じる女優。宮本信子はすごい、と改めて思った。映画自体についてはしんどかった。いつものようにユーモアはあるのだが寒々しく笑えない。殺伐とした気分になる。『マルサの女』であった敵役と交流もない。今回の敵は薄気味悪く、意思疎通が図れない異形の集団。不安感を煽ることが狙いのひとつなのかもしれない。何かが足りない。笑いで闘ってほしかった。
伊丹十三監督が謎の投身自殺を遂げたことにより結果的に遺作となった。