book
解説を読んで納得。杉江松恋の言うとおり。モンティ・パイソンmeetsカール・ハイアセン。
同窓会会場がテロリストに占拠された。ウェストレイクばりの人間図鑑。
語り口がスマート。
のちほど。『ロードマークス』を連想しました。
十分面白い。詳細はのちほど。って大分溜まってきた。
良質な青春小説。のちほど。
空想の起源と進化 出世の首 テレビ譫妄症 雨乞い小町 夜の政治と経済 ジャップ鳥 となり組文芸 桃太郎輪廻 馬は土曜に蒼ざめる 傍観者 廃塾令 団欒の危機 “ヴァーチャル短篇集”と銘打たれている。短篇集で読み終わった後しばらく経っても内容を覚えているこ…
“ダイムストアのドストエフスキー”ことジム・トンプソンの新刊。四六判を飛ばしていきなり文庫なのがうれしい。 『おれの中の殺し屋』(新訳版、個人的には『内なる殺人者』のほうがしっくりくる)の主人公、保安官助手のルー・フォードが探偵役を務める!?
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。大恐慌時代のアメリカ。詐欺師のトマス・シェル、その相棒アントニー・クレオパトラに拾われた不法移民のメキシコ少年ディエゴ。1932年、ディエゴはシェルの催すインチキ降霊会で「インドのオンドゥー(霊能力者)」スワミを…
富裕な一家の晩餐後、警部が訪れ、ひとりの若く貧しい女性の自殺を告げる。 イギリスの戯曲。室内劇。狭い空間での凝縮された問答。一家の構成員が犯したひとつひとつは小さな過ちが暴かれる。死んだ女性を不幸のどん底へ叩き落したの誰なのか。警部の内面は…
「説話論的な持続」「主題論的な体系」ってなんだ。まずはそこから始まった。前後から文意を汲んで前者は「物語性」で後者は「作家性」なのかなって考えた。ディスクールとかエクリチュールとか懐かしい。大学生の頃、一所懸命に批評のための批評言語を覚え…
鼓直/富士川義之/木村榮一/小田島雄志/若島正/沼野充義/池内紀/亀山郁夫/藤井省三/A.G.ジェレヴィーニ/柴田元幸/三浦佑之/鴻巣友季子/中条省平/宮下志朗/青山南/須永朝彦/岸本佐知子/中務哲郎/和田忠彦/高見浩/野谷文昭/西成彦/越川…
『隠し部屋を査察して』に収録されている短篇「パタゴニアの悲しい物語」に格納されている“医者が自分の子ども4人の体内に異物を埋め込む”エピソードから、その子どもたちのそれぞれの人生を描いたもの。 変な話。揃いも揃って奇妙な人生、奇怪なストーリー…
リチャード・バーギン「アイデンティティ・クラブ」 ルイーズ・アードリック「災害郵便」 ダニエル・ハンドラー「デルモニコ」 ジョージ.V.ヒギンズ「弁護士ジャック・ダガン」 エドワード.P.ジョーンズ「オールド・ボーイズ、オールド・ガールズ」 スチュア…
字幕屋さんの映画翻訳に関するエッセイ。著者自ら述べているように“翻訳”と“字幕”はニアリーイコールだと思う。短い文字数でニュアンスを伝えるための技と苦労と感動と愚痴を叩きつけた快著。専門でない国の映画の字幕も付けてるってとこに驚いた。映画好き…
1997年11月、今からほぼ10年前に発行された。「オルタカルチャー日本版」事件(山形浩生の「巽孝之=小谷真理」というギャグが裁判沙汰になってしまった事件)によって悪名だけが知られているが、「渋谷系」「裏原宿」など時代を彩ったキーワードが辞書的に並…
子どもの頃に親しんだ本。親に捨てられたり、なくしちゃったり、ボロボロになったり。読みたくなったらどうします?図書館って選択肢もありますが、古本屋を有効活用する手もありますよ。 「よく来たね、フッフッフ!」とパイプから煙を吹き上げて笑うシャー…
19世紀末のニューヨーク。法外な報酬に釣られて、姿を見ずに肖像画を描くという奇妙な依頼を受けた肖像画家ピアンボ。屏風の向こうのシャルビョーク婦人が語る奇想天外な半生。婦人の語りはどこまでが事実でどこまで虚構なのか。混乱する画家の周囲で、にわ…
この上なく短いアイデアストーリー「ショートショート」の歴史を振り返る。「これもショートショートなんです」という紹介、「ショートショートについてこんな人がこんなふうに言っています」という引用に終始する。高井信によるショートショート入門。 誰に…
マーティン・スコセッシ監督の同名映画原作。19世紀初頭、ギャング発祥の地ニューヨーク。ヨーロッパから流れ込んだ大量の移民たちは貧困と差別に直面し、犯罪に手を染めていく。およそ100年にわたる無法の歴史を俯瞰する。 フォーティ・シーヴス(40人の盗賊…
第1章 二つのミドル・クラス/第2章 ヴィクトリア朝—せせこましい道徳の時代/第3章 「リスペクタビリティ」という烙印/第4章 「郊外」のマイホーム/第5章 ロウアー・ミドル・クラス内の近親憎悪/第6章 貴族への憧れ、労働者への共感/第7章 階級を超える…
期待はずれ。まえがきに当たる「読者への挑戦」の〈主な登場人物〉が一番面白かったという体たらく。もしかしてぼくが映画に対して評論を求めていないだけかもしれない。もしくは映画監督が書く映画批評に期待しすぎていたのかもしれない。時期違いで別々の…
監督のインタビュー集としてパーフェクツな出来映え。“Jホラーのゴッドファーザー”または“もうひとりのクロサワ”の異名を持つ黒沢清のインタビューを元に構成した自伝。ファンならずとも映画を愛する人ならば必読の書です。インテリで職人肌で気まぐれでいい…
ちょっぴりビターなショートショート集。星新一のモダンさもなければ、都筑道夫の小気味よさ、阿刀田高のエグみもなく、眉村卓的な諦観もない。言わば職人の仕事、高井信のポジション。
この人はとにかく何かに付けクイーンを語りたいのだとわかった。評論言語から離れて久しいため、今更柄谷行人とか言われると及び腰になってしまうのだけど、ロス・マクドナルド『ウィチャリー家の女』を論じた「複雑な殺人芸術」なんぞは下手なミステリより…
奇怪な連続殺人、謎の秘密結社、ユグノー弾圧の悲惨な歴史、フランス革命前夜、東インド会社の陰謀、ギリシャ神話のモチーフなど魅惑のモザイク、怒濤の後半へと突入。読者は目の前に展開する絵巻をひたすら追うのみ。なにぶん主人公が能動的じゃないため、…
島田荘司『眩暈』(綾辻行人『黒猫館の殺人』でも可)を思わせる圧倒的幻想風景から物語はスタートする。主人公ジョン・ランプリエールは極度の近眼によって常人には見えない世界が見えていた。そのことで育まれた奇想を脳奥に留置き、現実世界を生きていく。…
“あとがき”もある程度量が集めれば立派な本になる。けっこう値がはります。本書は国内編。有名どころでは「大量死と密室―笠井潔論」が収録されています。笠井潔をダシにして大好きなクイーン論を展開しています。ほかに「挑発する皮膚―島田荘司論」など。法…
空から隕石が落ちてきた。下にいた教授は圧死した。変わり者揃いの大学教授たちと渡り合うは我らが名探偵アプルビイ警部。 ほぼほぼ諧謔とドタバタで構成された笑劇ミステリ。くだらなさがたまらない。自らも大学教授だったイネスだけにリアル(?)な学園風景…
なるほど、アンチ・ミステリだ。山口雅也らしいひねくれた作品。このボリュームでこのオチがくるとは!所謂“ミステリ”にもの足りないスレた読者、運命や宿命について考えている方、易に興味がある人向け。ニッチ。ちなみに直後に読み始めた『ジョン・ランプ…