インサイド・マン
デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、クライブ・オーウェン、ウィレム・デフォー、クリストファー・プラマーほか。
最初に一言。スパイク・リー監督の作品を面白いと思ったことはない。しかし本作では、監督の特徴であるところのタルさと説教臭さをほとんど感じなかった。前半の小気味よい進行テンポ、たたみかける魅力的な謎がすばらしい。肝となる2点「誰が犯人で誰が人質なのか」「強盗団の目的は何か」は抜群である。視聴者も人質と共に真っ当な判断力が働く前に靄の中へ連れていかれてしまう。犯人と刑事の間のやり取りで出る『セルピコ』『狼たちの午後』などの映画タイトル、少年が遊ぶ殺戮ギャングゲーム(PSP!?)、アマゾンで買えるボンドグッズ(ボールペン型ICレコーダー)などの遊びの要素も楽しく、キース・フレイジャー(デンゼル・ワシントン)とビル・ミッチェル(キウェテル・イジョフォー)の何気ない会話にセンスを感じた。物理的な謎はたやすく解けた(ミステリ読みなら当たり前)が、心理的な謎に牽引されてラストまで直行した。後半、緊張感が途切れ、ユルい着地をしてしまったことが悔やまれる。
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