NARA:奈良美智との旅の記録

NARA:奈良美智との旅の記録
渋谷シネ・ラ・セットにて。こじんまりして椅子も心地よく、いいハコですね。奈良さん、韓国で大人気。アイドル並です。映画としては散漫。寄り道が多すぎて、けっこうなファンでないと楽しめないかも。トレードマークとも言える小生意気な表情をした子ども(三白眼、上目づかい)の歩みは奈良さんの履歴とリンクしているようです。年代を経て彼女の瞳はどんどん大きくなっています。今ではその大きい瞳の中に神秘的な輝きを放つ星が描かれています。単身ドイツへ渡り言葉も通じなく孤独だった日々、帰国し思いがけず評価を得た時期、世間とコミットしていった現在までの過程で起こったケミストリ。よくも悪くも昔の絵は描けなくなってしまった、とのこと。興味深い裏話です。最後まで観て、彼の人柄を描くことが主目的に思えました。奈良さんの風貌と環境は、80年代の椎名誠とその周辺を思い起こさせます。部活的な集団活動と成果。次の一手はどこへ向かって打たれているのでしょうか。
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