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主に本と映画のライフログ

木曜組曲

耽美派女流作家、重松時子(浅丘ルリ子)が謎の自殺を遂げる。あの日から毎年、因のある5人の女たちは集い、故人を偲んでいた。今年の幕開けは謎の花束。添えられたメッセージカードの差出人の名はフジシロチヒロ。時子の遺作の主人公だった。

8人の女たち』的な。完全に舞台仕様でもあり、映画でやる意味がよくわかりません。映画ってのは移動、運動が肝要だと思います。地味に無難に原作に忠実に手堅くまとまっていて、恩田陸の原作ファンが観ても不満はないと思われます(ちなみに恩田陸は『光の帝国』以降読んでません)。
編集者、えい子役の加藤登紀子は怖さが抜群。もし暗闇で出会ったら即座に逃げます。微笑んでも、声を荒げても目に表情がありません。ある意味、能の怖さに通じるものがあります。ノン・フィクションライター、絵里子役の鈴木京香はかっこいいです。したたかで曲者で茶目っ気あって、何より煙草の喫い方が絵になってます。鈴木京香はルックスも含め特に好きな女優じゃないのだけど、初めて素敵だと思いました。キャラクタの力でしょうか。美術評論家、静子役の原田美枝子。相変わらず美しいです。そして相変わらず大根です。ミステリ作家、尚美役の富田靖子は仄かなカマトトっぽさが健在でした。常々思っているのですが、この人はほんと女の厭らしさを演じさせると上手いですね。純文学作家、つかさ役の西田尚美。現代っ子(当時29歳ですが!)作家をはっちゃけて演じる儲け役でした。カラフルな衣装と軽快な動きで楽しませてくれました。この人のルックスはけっこう好きです。

木曜組曲 (徳間文庫)

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8人の女たち デラックス版 [DVD]

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