イヤー・オブ・ザ・ドラゴン

第6回ラジー賞(1985年)5部門ノミネート作。マイケル・チミノ監督のムラッ気が悪いほうに出た。冗長で切れ味が悪く、本来ビシッと決めるはずのシーンすら間抜けに感じてしまった。ベトナム帰りの正義派刑事にミッキー・ローク、チャイニーズ・マフィアの若き首領にジョン・ローンを配置。本来、荒っぽい刑事と知的なマフィアの対決という構図だったはず。ところが知略と非情さでのし上がったはずの首領が運任せのやっつけ仕事しか行わず、刑事も意味不明の人種差別発言を繰返し、粗暴な子どもふたりが周囲を混乱に陥れているようにしか見えない。これはひどい。