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ジョン・ランプリエールの辞書 (上)

島田荘司『眩暈』(綾辻行人黒猫館の殺人』でも可)を思わせる圧倒的幻想風景から物語はスタートする。主人公ジョン・ランプリエールは極度の近眼によって常人には見えない世界が見えていた。そのことで育まれた奇想を脳奥に留置き、現実世界を生きていく。「エーコ+ピンチョン+ディケンズ+007!」の謳い文句も華々しい、サマセット・モーム賞受賞作。ちなみにジョン・ランプリエールというのは『古典籍固有名詞辞典』(1788年刊)の著者。