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主に本と映画のライフログ

ポジオリ教授の事件簿

『カリブ諸島の手がかり』でおなじみ、名探偵ヘンリー・ポジオリ教授の帰還(ワトソン役を携えて)。

  • 「警察署長の秘密」★★★★☆
  • 「靴下と時計の謎」★★★☆☆
  • 「ジャラッキ伯爵、釣りに行く」★★★☆☆
  • 「ジャラッキ伯爵への手紙」★★★☆☆
  • 「八十一番目の標石」★★★★☆
  • 「七人の自殺者」★★★☆☆
  • 「真昼の冒険」★★★☆☆
  • 「個人広告の秘密」★★★☆☆
  • 「塗りかけの家」★★★★☆
  • 「ポジオリと逃亡者」★★★☆☆
  • 「電話漁師」★★★☆☆


前中短篇集との大きな違いは語り手の存在。記録係であり作家の“わたし”はポジオリの能力を大いに認めつつ、もったいぶった態度や予断(と思える推理)をちょっと鼻持ちならないと感じている。教授に事件を提供する「ティアマラ・タイムズ」記者ゲファートという道化者も登場する。ホームズに対するモリアーティ大佐の如き好敵手、ジャラッキ伯爵の存在も面白い。破天荒さは薄れ、ベーシックな安楽椅子探偵小説のスタイルを取りつつ、前作の奇妙な味も踏襲している。おすすめはチャイニーズ・ボックスのような「警察署長の秘密」か。


カリブ諸島の手がかり 世界探偵小説全集 (15)

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三人の名探偵のための事件

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英国風の殺人 世界探偵小説全集 (6)

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