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主に本と映画のライフログ

愚者は怖れず

マイケル・ギルバートの本邦初訳。戦う校長先生ウェザロールが組織犯罪に立ち向かう。といってもアクションは皆無。人脈と行動力だけで真相に迫る。読んでいたときのイメージキャラクタはデンゼル・ワシントン。腕がなくなる人、爆発する人など捜査の過程でけっこう凄惨な事件が起こるのだが、にっくき敵が組織であること(特定の誰かに集約できない)、直接的な描写がないことによって、あくまで一枚膜を隔てた絵空事の惨劇に見え、身に迫る怖ろしさは感じない。反面、緩やかに真綿で締めらているような不気味な印象を受ける。本格ミステリでなく、スリラーだと覚悟して読むこと。

捕虜収容所の死 (創元推理文庫)

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スモールボーン氏は不在 (SHOGAKUKAN MYSTERY)

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